
「Web3」って言葉、ちょっと前に流行ってから、今じゃあんまり聞かなくなったわよね。
結局なんだったのか調べても、Web1.0がどうのとか、NFTやらDAOやら、よくわからない言葉ばっかり…。
よくわかんないままフェードアウトしていった気がするわ。

確かに、一時期はネットの革新として大騒ぎになりましたが、結局なんだかわからないまま終わりましたよね。
ですが実は、今でも水面下で技術革新は進んでいるのですよ。
Web3という言葉が出はじめてから4年が経ちました。
ですが、我々の生活に何かが変わったという感覚はあまり感じられませんよね。
結論から言うと、Web3が生活に変化をもたらすには、まだまだ先であると予想できます。
Web3は確かに革新的な技術ですが、誰もが気軽に扱えるレベルには達していません。
例えば、仮想通貨を管理するためのウォレットは複雑で、スマートグラスはまだまだ高価です。
この記事では、Web3とは何なのか、そしてなぜまだ私たちの生活に馴染んでいないのかを、専門用語を避け、大まかなポイントに絞って解説します。
この記事を読めばWeb3の全体像が理解でき、今後やってくる技術革新の波に備えられるでしょう。
少し長いですが、すべて読み切らずに気になる点だけでも読んでいただければ幸いです。
忙しい方でも目次を追うだけで、その意味をなんとなく掴めるように工夫していますので、ぜひご一読ください。
Web3とは


そもそもWeb3が意味わからなさすぎなのよ。
いったい何をもってWeb3というのかしら。

Web3に関する情報はいろいろと飛び交っており複雑に感じますよね。
こういう時はシンプルに本質を整理してみましょう。
ふたつの技術革新による「新しいインターネット」の総称
結論として、Web3は大きく分けて「ブロックチェーン」と「メタバース」という2つの技術革新から始まった、新しいインターネットの概念です。
現在Web3業界では多くの専門用語が生まれていますが、その多くはこのブロックチェーンとメタバースの技術が元となっています。
なので、まずはこのブロックチェーンとメタバースについて知ることで、他の専門用語もかなりわかりやすくなるでしょう。
今回は、なるべく専門用語を使わず、ブロックチェーンとメタバースにフォーカスした内容となっています。
そのほかの内容は今後更新予定なので、是非ご期待ください。
詳しくは後述しますが、このブロックチェーンとメタバースという2つの技術は、これまでのインターネットにはなかった概念を生み出す存在となりました。
具体的には、ブロックチェーンがインターネットの経済的側面を、そしてメタバースが社会的側面をそれぞれ強化してくれます。
ではこのWeb3は、これまでのインターネットと何が違うのでしょうか。
「非中央集権」という、自由なインターネット
今までのインターネットのことを、Web3と対比して「Web2.0」と呼ばれます。
この「Web2.0」という言葉は、実は最近になって使われるようになったものです。
新しい技術革新(Web3)に名前を付けるにあたり、これまでのインターネットの変遷を振り返って改めて定義されました。
・Web1.0: インターネットが出回り始めた黎明期。ホームページの作成者と閲覧者が分かれ、情報が一方通行だった時代
・Web2.0: ブログやTwitterといったSNSの普及により、誰もが情報を発信し、共有できるようになった双方向の時代
しかし、このWeb2.0には大きな特徴があります。
それは、発信された情報を「仲介者」によって管理されているということです。
皆さんもGoogle、Amazon、Facebook、Apple、Meta(いわゆる「GAFAM」と呼ばれる企業)のサービスを使ったことがあると思います。
これらの「仲介者」がいることで、私たちの情報は一度彼らの手に渡り、安全性が保たれる一方で、常に第三者が関与することになります。
GAFAMが巨大なテック企業となりえたのも、この様な情報を集積してビジネスに活用したからです。
「仲介者」が管理している情報社会を「中央集権」といい、Web3はこうした仲介者がいない「非中央集権」の社会を目指しています。
Web3が創り出す現実版「あなたのセカイ」
突然ですが、あなたは「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(通称プロセカ)というゲームを知っていますか?
このゲームでは、キャラクターたちが「セカイ」と呼ばれる不思議な場所で、自分の想いを歌にしています。
この「セカイ」は、そのキャラクター自身の想いによって形作られているのが特徴です。
Web3が目指す世界は、これに少し似ています。
これまでのWeb2.0では、FacebookやX(旧Twitter)といった「他人が作ったセカイ(プラットフォーム)」の中で活動していました。
しかし、Web3では、ブロックチェーンやメタバースの技術を活用することで、だれもが「あなた自身の想い」を形にしたセカイを作れるようになります。
プロセカのキャラクターたちが「セカイ」で活動するように、現実世界に生きる私たちがメタバースで活動できるようになる、それがWeb3の描く未来です。
ブロックチェーン:ネット経済の革新的技術


Web3がブロックチェーンとメタバースでできてるのはわかったわ。
でも、その肝心のブロックチェーンとメタバースが何なのか分からないのよね。

Web3はそれ自体が新しい言葉ですから、すべてが効きなじみのないものですよね。
慌てずに、ひとつひとつ理解していきましょう。
まずはブロックチェーンから。
ブロックチェーンは、3つの仕組みで作られているんですよ。
ブロックチェーンの「3つの仕組み」
ブロックチェーンには、情報の改ざんを許さない3つの仕組みが組み合わせられています。
ひとつは「連続した情報を、前後につながりを付けながら小分けにして保管する」という仕組み。
もうひとつは「その小分けした情報を、みんなで観測して管理する」という仕組み。
そして最後のひとつは「プログラムにより自動で取引や契約をおこなう」という仕組みです。
これらの仕組みは、それぞれ「ハッシュチェイニング」「分散型台帳技術」「スマートコントラクト」と呼ばれますが、一般的にはそこまで細かく覚える必要はありません。
この3つの仕組みにより、ブロックチェーンは特定の管理者を作らずに強固なセキュリティが担保されています。
情報が強固なセキュリティで保護されることで、デジタルなデータに区別をつけることが出来るようになりました。
「仮想通貨」や「NFT」はこの仕組みで作られています。
これにより、デジタルの世界に「資産」や「経済」の概念を誕生させました。
情報を「しりとり」のように繋げる仕組み
ブロックチェーンの「連続した情報を、前後につながりを付けながら小分けにして保管する」という仕組みを一言で表すと「しりとり」のようなものです。
たとえばですが…
・しりとり→りんご→ごりら→らっぱ→ぱんだ→…
と続いていたとします。
このしりとりのうち「ごりら」の単語が抜けていたらどうでしょうか。
「りんご」の次に「らっぱ」が来るのは、しりとりとして成立しませんよね。
このことで「りんご」と「らっぱ」の間で何かが抜けていることがわかります。
さらに「ごで始まり、らで終わる言葉が抜けている」ということもわかりますね。
単語の数を数えていれば「3番目が1単語抜けている」ということもわかります。
この「しりとりのように前後の情報をつなげつつ」「単語のように小分けにしていく」作業を連続した情報におこなうのがブロックチェーンの仕組みのひとつです。
ブロックチェーンでは、しりとりの「単語」にあたる部分を「ブロック」と呼びます。
さらに具体的には…
「いろはうた」の情報をブロックチェーン風に記録すると…
1.いろは にほへとちりぬるをわかよ たれそ
2.たれそ つねならむういのおくやま けふこ
3.けふこ えてあさきゆめみしゑゐも せすんというようになります。
この番号で振ったひとつの語群の「おわりの3文字」と「次のはじめの3文字」が共有されることで連続したひとつの情報であると証明できます。ブロックチェーンの記録では、この情報の規模感はもっと大きいものになります。
しかし、この仕組みだけでは欠点があります。先ほどのしりとりの例えを見てみましょう。
抜けた「ごりら」の項目には「ごじら」という単語も入ってしまいます。
つまり、はじめとおわりが合っていれば、違う情報に書き換えられてしまうのです。
これを解決するのが、ブロックチェーンのもう一つの仕組みです。
参加者全員で「同じ記録を共有」する仕組み
「小分けした情報を、みんなで観測して管理する」という仕組みは、簡単に言うと「写真をとって共有する」ようなものです。
先ほどと同じく、しりとりで例えてみましょう。
今回は4人でしりとりをするとします。
4人は一枚の大きな紙に順番にしりとりの単語を書いていき、誰かが紙に単語を描いたら、4人全員が紙全体をスマホで写真に撮って保存します。
この時、誰かがこっそりしりとりの紙に書かれた「ごりら」を「ごじら」に書き換えたとします。
ですが、みんなが持っている写真には「ごりら」と書かれているので、誰かが不正をしたことがすぐに発覚します。
ブロックチェーンもこれと同じです。
取引の記録を特定の誰か一人が管理するのではなく、ネットワークに参加している全員がそのコピーを共有し、お互いに監視し合います。
この「みんなで観測して管理する」という仕組みが、ブロックチェーンの二つ目の重要なポイントです。
この仕組みによって、改ざんが極めて難しくなり、特定の管理者がいなくても安全な取引を実現できるのです。
この時のしりとりの参加者をブロックチェーンでは「ノード」と呼びます。
一般的には「全員で管理する」といわれていますが、厳密には「参加しているノード全員で管理する」というほうが正しいでしょう。
ブロックチェーンをさらに便利にする「自動契約」の仕組み
1990年代、ニック・サボというコンピューター科学者が考えた構想があります。
それは、「契約や法律をコンピュータープログラムに置き換えることで、仲介者なしに契約を自動で実行できる」というものでした。
しかし当時、その仕組みを安全に実行できる技術がなかったため、このアイデアは長らく机上の理論に留まっていました。
ところが、ブロックチェーンという「改ざんされない台帳」の技術が生まれた時、この構想が再び着目されます。
イーサリアムというブロックチェーンは、契約の自動化を実行できるプログラムを組み込むことで、サボのアイデアを現実させました。
この「プログラムにより自動で取引や契約をおこなう」というシステムにより、仲介者のいない場面でも個人間で取引をおこなうことが出来るのです。
メタバース:ネット社会の新しいコミュニティ


メタバースって言うと、オンラインゲームと変わらないとかいろいろ言われていたわよね。
結局たいしたことない、みたいな印象があるけど、実際のところはどうなのかしら。

メタバースもまた、様々な情報が飛び交っていますが、落ち着いて本質を見ていきましょう。
メタバースも、大まかには3つの技術によって成り立っています。
オンラインゲームとは違う、メタバースの「3つの技術」
「メタバース」とはVR、AR、MRの3つの技術によって体験できる、新しいコミュニティのあり方です。
・バーチャルな世界に現実の自分が入り込む仮想現実「VR」
・現実世界にデジタルデータを呼び出す拡張現実「AR」
・VRとARを複合した複合現実「MR」
この3つの技術はそれぞれ現実世界とデジタル世界の橋渡しの役割を担っています。
これらの技術革新により、人と人の繋がりや個人のアイデンティティ、社会のあり方は大きくかわっていくでしょう。
しかし昨今、よく話題に上がるのが「メタバースはオンラインゲームのようなモノ」ということです。
実はメタバースとオンラインゲームには明確な違いがあります。
その明確な違いは「目的」です。
オンラインゲームの目的は「ゲームやクエストをクリア」することで、「交流」はそのための手段のひとつでしかありません。
対してメタバースは「交流」をするための手段のひとつとして「ゲームやクエスト」が含まれます。
もちろんメタバースでも順位を競うゲームや協力をして敵を倒すゲームが存在しますが、必ずしもゲームである必要性はありません。
その例として挙げられるのが「バーチャルオフィス」や「バーチャルライブ」です。
これらは敵を倒すことや競うことが目的ではありませんよね。
「人と人の繋がり」が目的であるならSNSの発展形といった方がわかりやすいかもしれません。
YouTubeやInstagram、LINEなどの「SNS」の次世代の形が「メタバース」ともいえるでしょう。
手紙から電話、チャットやSNSと進歩していったコミュニケーションが次のステージへと進みます。
メタバースで遠く離れた人とも、まるで目の前に相手がいるかのような、より自然なコミュニケーションが実現するでしょう。
また、メタバースは「交流」だけでなく「現実の技術の向上」にも革新をもたらします。
メタバースの「現実とバーチャルを掛け合わせる技術」により、失敗すれば大きな損失を生むものも、ノーリスクで試すことができるようになるのです。
具体的には、医療技術の習得や社会実験などの、人命や倫理観にかかわるリスクによって進歩が遅かった分野でも、デジタルデータが相手なら何度でもやり直して試すことができます。
これらのことから、「交流」や「現実の技術の向上」などの「社会的な面での技術革新」がメタバースの本質といえるでしょう。
バーチャル空間に没入できる「仮想現実」
VR(仮想現実)とは、専用のゴーグルやヘッドセットを装着することで、完全にデジタルでつくられた仮想世界に没入できる技術のことです。
VRで代表的な「VRChat」は、VRゴーグルをつけることで他のユーザーと交流することが出来ます。
仮想空間に自分が入り込む技術により、現実世界では難しかったことが可能になります。
具体的には、
- 見た目を変えることができる
- 遠くの人と空間を共有できる
- 物理法則を無視した動きができる
- 架空の世界を体験できる
- ノーリスクで危険な体験ができる
などです。
これらにより、見た目にとらわれない交流や、クリエイティブな体験、規模の大きい社会実験などができるようになります。
「拡張現実」による新しい体験
AR(拡張現実)とはフィルターの役割を持つものを通して、現実世界にバーチャルなデータを呼び出す技術です。
フィルターの役割を持つものは、ARグラスのような本格的なものから、スマートフォンのようにライトなものまであります。
実はARは、言葉はよく聞く「VR」よりも、現実社会で何気なく使われているものが多いです。
ネットショッピングなどで家具を試し置きが出来たり、ポケモンGOのARモードなど、実際に体験する機会はVRよりも多くあります。
AR技術は作り手の負担がVRよりも少なく、使う側も直感的に情報が伝わるので、潜在的な需要は高いです。
一見地味な技術ですが活用しやすい点から、次に解説する「MR」も、「AR」に近い要素を含んでいます。
現実とバーチャルの「複合現実」
MR(複合現実)とは、現実世界とデジタル情報がお互いに作用しあい、融合する技術です。
たとえば、現実の部屋にバーチャルなキャラクターを映し出し、そのキャラクターが現実のテーブルや壁を認識して動き回るといった、より高度な体験ができます。
現実世界にあるものを認識し、まるでそこに存在するかのように振る舞うため、MRは「ARとVRの利点を掛け合わせた技術」といえるでしょう。
この技術は、まだ一般的に普及しているとは言えませんが、Apple Vision ProやMicrosoft HoloLensといったデバイスがその体験を可能にしています。
メタバースが単なるバーチャル空間ではなく、現実と結びついた「もうひとつの社会」として機能する未来には、MRが重要な役割を果たすと期待されています。
Web3が起こすネット革命


ふうん…。ブロックチェーンとメタバースがすごいのはよくわかったわ。
でも、それが一体何の役に立つのかしら。

技術や仕組みがわかっても、どういったことが起きるのかいまいちピンとこないですよね。
ブロックチェーンとメタバース、このふたつが組み合わさったWeb3では何が起きるのかをご説明します。
中央集権からの脱却
ブロックチェーンの技術は、前述の通り管理者や仲介者を挟まずに取引ができます。
取引できるのはブロックチェーンを用いた資産(お金)やデジタルデータ(情報や作品)です。
管理者や仲介者がいると、取引代行の手数料や、管理の対価として情報の提供が発生します。
提供された情報は主に、自社広告や自社サービス、自社AIの改良に使われます。
今の社会では、企業のサービスをユーザーが利用すればするほど、企業が得しやすい仕組みです。
管理者、仲介者を挟まなければ、彼らが独占していた資産やデータを参加者に還元できたり、余計な支払いや情報搾取の不安が解消されます。
もうひとつの利点は、仲介者がいないことで取引がスムーズになることです。
個人間の直接な取引ができるので、銀行などでは翌日になる取引でも、当日中にいつでも行えるようになります。
資産になるものが増える
ブロックチェーン技術により、いままでただのデータだったSNSの投稿や作品に、所有権がつけられるようになります。
このことで所有権の販売はもちろん、オリジナルと複製品の区別がつくことで、コピー品の流布やなりすましの抑止力にもなるでしょう。
コピーされても投稿や作品の持ち主がわかるので、複製データが拡散されても、誰がオリジナルの持ち主かは常に明確になり、制作者に正当な評価が集まりやすくなります。
この仕組みにより、デジタル作品が二次流通(転売)される際にも、オリジナル制作者に利益の一部が自動的に還元されるようになります。
ガラケー、スマホの次世代機「スマートグラス」
メタバースのMR技術により現在、新しい携帯機が開発されています。
代表的なのは、Microsoftの「HoloLens 2」やAppleの「Apple Vision Pro」といったスマートグラスです。
これらのデバイスはいわば「空間がモニター」になり、まるで目の前に相手がいるような通話や、見たままの直感的な操作ができるようになります。
VRゲームのような娯楽系のアプリのプレイはもちろん、ホログラムによる現実とデジタルの融合による技術革新が生まれます。
例を挙げると、
- 距離を超えた対面会話
- 遠隔での対人指導
- 購入前の商品の試し置き
- 危険な作業のシミュレーション
- ルートが目の前に映る道案内
- 見るだけで即座に表示される情報
などがあります。
スマートグラスは開発段階で、眼鏡と併用できないこと、アプリケーションがまだ実用的でないこと、高額であることが課題です。
そのことで、多くの人がスマートグラスは「普及はしない」と思うかもしれません。
しかし、電話からガラケー、ガラケーからスマホに移り変わったときにも、同じような課題に直面し、いつの間にか社会に普及していきました。
近い未来にスマートグラスが、私たちの生活に浸透する可能性は決して低くはないでしょう。
地球をまるごとネットにコピー
メタバースのARやMRが目指す未来が「MRグラス」による拡張現実だとすれば、VRの究極の到達点は「ミラーワールド」の実現です。
「ミラーワールド」とは、現実世界をまるごとデジタル空間にコピーする構想を指します。
地球そのものを仮想空間に再現し、人や都市、経済活動までもシミュレーションする壮大な計画です。
もし実現すれば、現実では困難な実験や体験も可能になります。
たとえば、広大な土地を必要とする実験や、大規模災害・戦闘のように命の危険を伴う訓練シミュレーションなどです。
さらにブロックチェーンを組み合わせれば、金融や流通といった仕組みも再現できます。
そこにAIの発展を加えることで、人の思考や行動を疑似的に再現することも考えられるでしょう。
つまり「土地」「金融」「流通」「人」が揃えば、それはひとつの「国」となります。
仮想空間に国をつくることで、現実社会では試せない大規模な社会実験も可能になります。
加えて、現実の流れをトレースし未来を先送りすることで、世界の未来像を疑似的に観測できるかもしれません。
経済システムの予測装置としても期待され、「未来のシミュレーター」としての価値が高まるでしょう。
Web3社会の今後の課題


Web3になるとこんなにすごいことが起きるなんて知らなかったわ!
でも、こんなにすごいのにどうしてあまり浸透してないのかしら。

それこそがいまWeb3の抱えている問題であり、課題でもあります。
Web3も、新技術としてようやく落ち着いてきたところですので、課題を乗り越えて世界的に普及するのはこれからです。
この先、どのようなことが課題となるかを見ていきましょう。
ユーザー体験までが複雑で面倒
ウォレットやスマートグラスの導入や、それらのコンテンツを利用するには、現段階では障壁が多くなっています。
ウォレットでいえば秘密鍵などの自己防衛すべきものの管理や、ガス代の仕組みが面倒だと思われるかもしれません。
スマートグラスもまだ市場に出たばかりで、利用者数や価格の面からなかなか手が出せない人が多いのが現状です。
本格的な普及のためには、あと一歩のさらなる技術革新やインターフェースの改良が必要となるでしょう。
しかしこの課題の克服も遠い未来ではないと思われます。
近い将来、この様な手間や価格の高騰が解消され、だれもが利用しやすい環境になるでしょう。
法整備や規制の遅れ
今回は深く解説しませんでしたが、ブロックチェーン技術により、「新しい金融」が次々に開発されました。
その成長速度は世界が積み上げてきた金融の歴史を飛び越えるスピードです。
それゆえに、今の金融の法整備では、追いつくことが難しいこともありました。
ですが、新しい技術の熱狂も落ち着き、ようやく法律が見直されつつあります。
明確なルールや規制の整備が進み、利用者や企業にとって安心感が生まれ、市場全体の信頼性向上につながる日も遠くないでしょう。
企業も参加できる
誰でも自由に参加できる社会がWeb3ですが、企業もまた、その「誰でも」のうちに入ります。
これは、「誰でも」参加できるという仕組みの弊害です。
ですが実のところ、中央集権からの脱却を目標に掲げるWeb3にも、一方で企業の参加を必要とする声があります。
例とするなら、先ほど挙げられた「ユーザー体験までが複雑で面倒」という点です。
面倒なところを企業が手数料を貰って代わりに行ってくれれば、Web3の普及が飛躍的に広がるでしょう。
非中央集権の社会で中央集権に頼るのは本末転倒ではありますが、確かにこれらを必要とする人が多くいるのは事実です。
企業が参入することは悪いことではありません。
将来的に企業が作った、困っている人向けに作ったサービスや、より便利なツールが広がると予想できます。
そのことも踏まえて、中央集権に頼るかは各々の判断で選ぶと良いでしょう。
書籍紹介

最後に、今回参考にした書籍を一部紹介して終わりたいと思います。
是非皆さんも、Web3について学んで、新しいネット社会を楽しめるように備えておきましょう。
ゼロからわかるITほんき入門 Web3のなかみ
「Web3」「ブロックチェーン」「NFT」「メタバース」についてわかりやすくまとめられた本です。
実は、筆者も当初はWeb3についての知識はなく、調べた知識を専門家に監修してもらいながら書き上げたという背景があります。
そのため、初心者の目線に寄り添った解説がされており、Web3初心者にはうってつけの書籍となっています。
合間の漫画も箸休めになり、サクサク読める内容となっていますので是非ともおすすめです。
メタバースとWeb3
Web3業界の現役経営者である筆者が語る、メタバースとWeb3についての将来性と展望を独自の流儀で書き記した書籍です。
正直、内容のほとんどが希望的観測と独自の解釈が多いですが、Web3業界の現役経営者という実績があるだけのこともありかなりの説得力があります。
この独自解釈から自身も執筆のヒントを得たので、Web3が大まかにでもわかってきた人にはぜひ読んでもらいたい一冊です。
まとめ
今回は、以下の話をさせていただきました。
- 「Web3」とは「ブロックチェーン」と「メタバース」を組み合わせた「新しいインターネット」の総称。
- 「ブロックチェーン」はデータに資産価値がつけられるようになり、インターネットの金融面で革新させる。
- 「メタバース」は仮想空間を発展させることで、コミュニケーションやシミュレーションなど、インターネットの社会面を革新させる。
- 「Web3」によって新しい資産のあり方や、新しい社会のあり方が期待できる。
- いまだに課題は多いが、近い未来に解消されると予測できる。
詳しく知りたいところは、目次から何度でも確認できますので、是非読み返してみてください。
今回はだれもが一度は考えた「Web3って結局なんなんだろう」という疑問に対しての記事を書かせていただきました。
様々な難しい言葉が飛び交う分野ですが、実はその言葉も大別すると「ブロックチェーン」と「メタバース」の2つに分けられます。
それがわかると、様々な言葉が「ブロックチェーン」や「メタバース」から枝分かれした言葉であることもわかってきます。
Web3の分野を学ぶときには、ぜひこの記事を読み込んでから学ぶことをおすすめします。
ここで覚えた知識があればもう大丈夫です。さぁ、Web3の扉をたたいてみましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回の記事はここまでとなります。
もしよろしければ、ほかの記事も読んでいただけると今後の活動に大変励みになります。
読んでいただいた皆様、応援してくださる方々、いつも本当にありがとうございます。
それではまた、別の記事でお会いしましょう。
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